請負契約書の内容
建設工事を請け負う場合、請負契約書において、工事の内容、場所、工程、仕様、請負代金額と支払いの時期・方法、一括下請負の禁止、連帯保証人、監理者、材料等の支給主体、特許権・実用新案権・意匠権等の使用、検査や引渡とその時期、解除事由などを定めます。
民法上、請負人の報酬の支払時期は、仕事の目的物の引き渡しと同時と定められています。そのため、請負人は、仕事を完成するだけではなく、目的物を引き渡さなければ、報酬を請求することはできません。しかし、民法は、仕事が完成しなかった場合でも既履行分については仕事が完成したとみなすと定めています。そこで、注文者の帰責事由によって仕事を完成することができなくなったときや、請負が仕事の完成前に解除されたときは、請負人は、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受ける割合に応じて報酬を請求することができます。また、請負契約で別の時期を定めることはできるので、出来高部分の報酬額と支払時期を請負契約書で特定しておきましょう。ただし、請負報酬債権は契約成立により発生すると、これを譲渡することができますので、請負契約書に債権譲渡禁止の特約を入れておくことが考えられます。
機械部品など物の製造・加工を請け負う場合、請負人が材料を供給するときにはその加工物の所有権は請負人に帰属しますが、注文者が供給したときは注文者に帰属します。注文者が材料を供給したときでも、それが一部にとどまる場合や工作によって生じる価値が高いときは請負人に帰属することがあるので、注文者としては、製造する際には注文者の材料のみを使用するとか、加工物の所有権は注文者に帰属する旨の条項を請負契約書に入れておいた方がよいでしょう。
機械やシステムの保守を請け負う場合、または清掃等の作業を請け負う場合、請負契約書において、作業の内容や場所を網羅的に記載した方がよいです。その際には請負契約書の別紙で一覧表にした方が分かりやすいでしょう。
契約不適合責任
仕事の目的物が、種類または品質に関して契約の内容に適合しないものであるとき、注文者は、目的物の修補による履行の追完を請求することができます。また、注文者が相当の期間を定めて目的物の修補の催告をし、その期間内に修補がなされないときは、注文者は、その不適合の程度に応じて報酬の減額を請求することができます。ただし、▽目的物の修補が不可能である、▽請負人が修補を拒絶する、▽注文者が催告をしても修補をする見込みがない場合は、注文者は、催告をすることなく、直ちに報酬の減額を請求することができます。これらの請求とは別に、契約解除や損害賠償の請求をすることもできます。
この契約不適合責任は、契約書に免責条項を入れておくことができます。上記のような事業者間の請負契約では法的に問題はありませんが、消費者契約法が適用される場合は、事業者の損害賠償の責任を免除する条項や消費者の解除権を放棄させる条項は無効となりますので、留意してください。
ところで、注文者は、契約内容の不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しなければ、請負人が契約不適合を知り、または重過失により知らなかった場合を除き、契約不適合を理由として、履行の追加の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができなくなります。この通知期間は、契約書において期間を短縮または伸長することができます。
なお、通知しただけで足りず、追完請求権や報酬減額請求権等の具体的な権利を行使しなければ、契約不適合を知った時から5年または仕事の目的物を引き渡した時から10年のいずれか早い期間が経過すると時効により消滅します。消滅時効が完成する前に、完成猶予となる裁判等の手続をしなければなりませんので、お早めに弁護士にご相談ください。
[経営法務サポート]
弁護士佐久間大輔は、企業法務に関するコンサルティングをしています。詳しくは以下のページをご参照ください。
>> 「企業法務コンサルティング」
[解決実績]
企業法務における主な解決実績は、以下のページをご参照ください。
>> 「企業法務」
[サービス料]
弁護士費用については、次のページをご覧ください。
>> 「企業法務の個別案件対応サービス料」





