相殺の要件と効果
相殺とは、債務者が債権者に対して同種の債権を有する場合に、その債権によって、債権者に対して負っている債務を対当額について消滅させることです。
双方の債権が金銭債権で、弁済期にあれば、原則として相殺をすることができます。自身の有する債権が弁済期にあれば、相手方に対して負っている債務が弁済期になくても期限の利益を放棄できるので、双方とも弁済期にあることになります。
このように相殺の要件を満たしていれば、当事者の一方から相手方に対する意思表示によって相殺をすることができます。例えば、100万円の売買代金(売掛金)があるとき、売主が買主に対して100万円の貸金債務があり、双方の債務とも弁済期が到来していれば、相殺により双方の債務を消滅させることができ、それにより売買代金の回収を図ったのと同じ効果を得ることになります。
相殺の活用方法
また、時効によって消滅した債権がその消滅以前に弁済期にあり、他方の債権も弁済期にあった場合は、相殺をすることができます。期限の定めのない債権は債権発生日(金銭消費貸借契約であれば債権者が金銭を貸し渡した日)に弁済期となるので、5年の消滅時効期間が経過してしまうことがありますが、相手方が有する債権があれば、これと対当額について相殺することで債権回収を図ることができるのです。
さらに、債権が差押えを受けたとしても、その第三債務者は差押え前に取得した債権または取得が差押え後であっても差押え前の原因に基づいて生じた債権(他人の債権を取得した場合を除く)による相殺をすることができます。
したがって、相殺は、債権回収の有効な手段となり得るし、担保としての機能を果たすともいえます。
そこで、契約書において、当事者がそれぞれ相手方に対して金銭債権を有しているのであれば双方とも弁済期が到来していなくても相殺することができるとの相殺契約の予約条項を設けておくと、相殺の担保的機能を活用することができるでしょう。
相殺は単独で行うことができますが、その意思表示が相手方に到達しなければなりませんので、内容証明郵便をもって相殺通知書を発送するのが通常です。
訴訟だけでなく、弁護士が代理人となって相殺の通知を発することもできますので、互いの債権の発生原因に関する資料(契約書等)、支払明細、相手方の所在地に関する資料などをお持ちになり、弁護士にご相談ください。
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