心臓病に罹患した労働者が就労継続を希望しており、事業者としてもそうしてほしいと考えている場合、どのように対処したらよいでしょうか。
労働安全衛生法は、健康の保持増進のための措置として、健康診断や健康教育などとともに、病者の就業禁止を規定しています。就業禁止の対象は、伝染性の疾病に罹った者以外に、心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのある場合、すなわち体動により息ぎれ、浮腫、チアノーゼ、高度の発熱、意識喪失等の症状が容易に発現する程度の心、血管、腎、肺、気管支、肝等の疾患に罹っていることが明らかであるため労働することが不適当であると認められた者も含まれます。
就業を禁止しようとするときは、あらかじめ産業医その他専門の医師の意見を聞かなければなりません。
心臓病の労働者が、例えば、体動により息ぎれ、浮腫、チアノーゼ、高度の発熱、意識喪失等の症状が容易に発現することが明らかである場合は、就業を禁止することになります。その決定に際しては、産業医や専門医の意見を踏まえなければならず、当該労働者が就労継続を希望しているのであれば、できるだけ就業の機会を失わせないようにするという観点から、就業を禁止することがやむを得ない場合に当たるかどうかを慎重かつ適正に検討しなければなりません。単に重病というだけで労働安全衛生法が就業を禁止しているわけではないことに留意してください。
労働が不適当とまではいえないと評価され、就業させることを決定するとしても、医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるなどの措置を講じることを検討した方がよいでしょう。
労働安全衛生法を遵守するだけでなく、安全配慮義務を履行するという観点からも適切な判断をする必要があります。
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