株式譲渡契約書の内容と手続
親族内承継・従業員承継ともに、経営者の生前に後継者に対して株式を売り渡すことがあります。
株式を売買する場合、株式譲渡契約書において、株式の種類、数、売買代金を特定し、株券や株主名簿の書換に必要な書類の交付、代金の支払期日や支払方法を定めます。
ただし、自己株式を取得するのと引き替えに交付する金銭の総額は分配可能額を超えてはなりません。
また、譲渡制限株式の全部を発行する非公開会社においては例外がないのですが、株主全員を対象とする場合は株主総会の普通決議が、特定の株主から取得する場合は株主総会の特別決議が必要となります。
株券発行会社においては、譲渡人が譲受人に当該株式にかかる株券を交付しなければ、その譲渡の効力は生じません。そこで、代金支払いと引き替えに株券交付をすることを株式譲渡契約書に定めておきます。譲渡人が株券の交付を受けずに株式を取得していた場合は、株券を発行した上で譲渡する必要があります。株式が輾転譲渡されていた場合は株券不交付により無効となっている株式譲渡以降の株式譲渡を全てやり直さなければなりません。
これに対し、株券不発行会社においては、売買の目的物である株式の株主名簿上の名義を譲渡人から譲受人に書き換えるために必要な書類の交付と引き替えに代金を支払うことになります。
自己株式の売買では問題となりませんが、非公開会社では株主総会または取締役会の譲渡承認が必要となるので、代金完済時までに売主は承認を得ておくものとし、承認が得られない場合は株式譲渡契約を白紙に戻すか、手付金の倍返しをして株式譲渡契約を解除するといった条項を入れることが考えられます。
M&Aにおける株式譲渡契約書
一方、M&Aも事業承継の手法として活用できます。
M&Aによる株式譲渡の場合は以上の措置だけでは足りず、譲渡人は、株式譲渡契約書において、▽当該株式が有効に発行されたこと、▽株券が当該株式の権利を表章するものであること、▽売主が当該株式全部についての権利者であり、担保権が設定されていないこと、▽会社の財産、損益、負債等について、財務諸表に記載されたとおりであることなどを保証しなければなりません。この保証に違反した場合は、譲受人は解除できる、譲渡人は損害賠償責任を負うとの条項も株式譲渡契約書に入れることを検討します。
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