事案と受任前
顧問先の従業員が、直属上司や同僚とトラブルが発生したこと、取締役から叱責を受けたこと、体調不良なのに直属上司との定期面談を指示されたこと、希望した職場に配置転換させなかったこと、職場復帰後の座席移動を配慮してもらえなかったことなどを主張し、労働審判を申し立てて損害賠償請求をしてきたことから、当職が代理人に就任しました。
弁護活動と結果
従業員はうつ病を発病して休職したので、紛争に発展する前から休職や職場復帰後の対応について顧問先を指導しました。そもそも事件の根本となる直属上司とのトラブルや取締役の叱責は業務上の指導の範囲内のものでしたが、従業員が代理人を立てる前から当職が指導をして、取締役の強く叱責をした発言により当該労働者が心理的負荷を受けたことを謝罪し、また、直属上司との定期面談を中止し、2段階で希望を満たす座席移動をしました。
これらの措置を労働審判手続において主張したところ、争点は多岐にわたりましたが、第1回期日の段階で労働審判委員会から顧問先の対応に違法性はないとの心証が示されました。損害賠償責任は成立しないものの、早期の円満解決のため、少額の和解金を支払うこととし、第2回期日で調停が成立しました。
解決のポイント
労働審判申立という紛争に発展する前から、一貫して弁護士が顧問先の対応を法的に指導して誤りを防ぎつつ、使用者側の対応に関する証拠づくりをしていたことが、労働審判委員会が「請求棄却」との心証開示に繋がりました。顧問先の経済的負担を減らしつつ、早期解決を図ることができました。
一方、当該従業員には不利益取扱いや差別的取扱いをしてはならないことも助言し、顧問先もこれを理解したことから、現在も当該従業員は、うつ病を再発することもなく、通常どおり就業しています。このような対応は他の従業員の顧問先への信頼にも繋がるのであり、金銭評価できないメリットをもたらしているといえます。
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