ウェブサイトの制作業務の委託を受けたところ、1つのウェブサイトを制作するのではなく、仕事内容やスケジュールが定めらておらず、仕事の完成も曖昧なまま、毎月委託料が支払われている場合、受託者は、業務委託契約を解除した後もバグが出たら無料修正しなければならないのでしょうか。
契約が請負契約か、委託(準委任)契約したにより結論が異なります。
契約書の表題が「業務委託契約書」と記載されていたとしても、契約書に、検収、修補、納品できなかった場合の遅延損害金などといった条項が入っているのであれば、請負契約と認められる可能性があります。改正前の民法では、請負契約である場合、修補の責任は、契約書で定められた期間、存続しますが、規定がなければ目的物を引き渡してから1年です。これに対し、改正後の民法では、注文者は、契約内容の不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しなければ、請負人が契約内容不適合を知り、または重過失により知らなかった場合を除き、契約内容不適合を理由として、履行の追加の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができなくなります。
他方、準委任契約であるとしたら、請負のように仕事の完成が契約の目的とはされないことになり、原則として業務委託契約解除後にバグの修正をする必要はありません。しかし、バグの修正が委託業務(準委任事務)に含まれるのでしたら、委託業務を履行した後でなければ報酬を請求できないことになります。
契約の法的な性質は、名目ではなく、実態で決まりますので、委託業務の範囲についてトラブルが発生したら、契約書などをお持ちになって弁護士にご相談ください。