賃貸借契約は信頼関係を基礎とする継続的な契約ですから、賃借人は賃貸人に無断で賃借権を譲渡したり、転貸したりすることはできません。これは民法に規定されているので、賃貸借契約書に定めがなくても、賃借人は義務を負います。賃借人が無断譲渡・転貸をした場合、賃貸人は賃貸借契約を解除することができます。
ただし、親子関係や個人企業の法人化など信頼関係を破壊するとまでいえない事情があれば、賃貸借契約の解除は認められないことがあります。
賃借人より賃借権譲渡や転貸の承諾を求められたら、まずは無下に拒絶するのではなく、協議に応じて賃借人の説明を聞きましょう。賃貸人には承諾の義務はありませんので、納得できなければ承諾をしなければよいのです。
承諾をする場合、賃借人に承諾料を支払ってもらいます。その金額は借地権価格の10%程度が相場でしょう。
また、借地については、地主が承諾しなくても、借地借家法に基づき、賃借権譲渡または転貸を地主の承諾に代わって裁判所が許可することができます。
承諾料の交渉についても弁護士が代理人となることができますので、賃貸借契約書などをお持ちになり、ご相談ください。