営業活動やインターネット広告により新規顧客を獲得することも重要です。しかし、既存顧客を維持して継続的に購入してもらう方が、売上高を増加させるための費用や手間が新規顧客の獲得に比べて少なくなるのが一般的です。
売上高を上げるためには、次の計算式より、客単価を上げるか、客数を増やすことが必要になります。
売上高=客単価×客数
客単価については、次の計算式より、平均購買単価を上げるか、販売数量を増やすことで上昇します。
客単価=平均購買単価×販売数量
すなわち、付加価値の高い製品の売上割合を増やすか、既存顧客のリピート回数を増やすことにより売上高が増加します。
そこで、既存顧客に対しては、客数を維持すること、販売数量を増やすことが課題となります。
では、既存顧客が離反して客数が減るか、リピート回数や関連購買が増えずに客単価が上がらないという場合、その理由は何でしょうか。
それは、顧客が製品やサービスに不満を持っている、または顧客がニーズを認識していないことが考えられます。これを解消するためには、顧客満足度や顧客ロイヤルティを上昇させ、顧客との関係を強化・維持する必要があります。
そこで、製品やサービスに不満を持っている顧客に対しては、割引券の交付・配信や、割引サービスの提供をする、定期的に顧客満足度調査を行い、協力してくれた顧客に割引券や割引サービスを提供して回答数を増やし、製品やサービスの改良に反映するなどの施策を実行することにより、不満を解消するとともに、顧客満足度を上昇させます。
ニーズを認識していない顧客については、初めて購買してくれたのに、1回しか来店しないとか、1か月を超えて来店しないといったケースが少なくありません。そこで、初回の来店後や最終来店日から1か月が経過した時期に、来店動機や問い合わせの内容に応じたメッセージを送信します。また、最後の利用から一定期間経過後、誕生日・七五三・卒業式などの節目需要、イベントや季節ごとに、商品案内や割引券を電子メールやSNSで配信するか、試供品とともにDMを送付します。これにより、顧客ニーズを喚起します。
このような施策を実行する際は、事前に、初回利用時の会員登録された生年月日、メールアドレスやSNSのID等の情報、購買時に入力してもらった来店動機、入店日、問い合わせ等の顧客情報、購買履歴をデータベース化しておき、どのようなメッセージが再購買に繋がるかを検討します。
これにより、既存顧客の離反を防止し、継続購買期間を延ばしたり、購買頻度を増やしたりします。さらに、関連購買や1回当たり買上点数の増加により客単価を上げます。
顧客ロイヤルティが上昇すると既存顧客が口コミをしてくれるので、新規顧客を獲得することができます。口コミを誘発するため、家族割引制度や顧客紹介制度を導入します。
新たなイベントを開催することも、顧客との関係を強化・維持するために有効なコミュニケーションの手段となります。イベントの開催をDM、電子メールやSNSで告知して、既存顧客の再来店や新規顧客の初来店を促しましょう。