就業規則の作成・変更の手続
労働基準法上、就業規則を作成・変更するには、労働者の過半数を組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見聴取をし、労働基準監督署への届出をした上で、労働者に周知しなければなりません。
労働者側の意見聴取については、同意またはそれに向けた協議までは必要がなく、意見を聞いて参考にすれば足ります。反対意見が出されてもその反対意見を記載した書面を労働基準監督署に届け出ればよいのですが、実際には反対意見の内容や理由を検討し、これを反映させるか、変更内容を十分に説明して理解を得た方がよいでしょう。
労働者に対する周知方法は、見やすい場所での掲示・備え付け、書面交付、パソコン閲覧などがあります。懲戒解雇の根拠規定を労働者に周知させる手続が採られていなかった場合に、この就業規則の規定の効力を否定した最高裁判例があります。労働契約法においても、就業規則で定める労働条件が労働契約の内容になる要件とされているので、労働者への周知を確実に行いましょう。
労働契約は労働者と使用者が合意して成立するので、労働契約の内容である労働条件を変更する際も合意が必要であり、特に就業規則を労働者の不利益に変更する場合は合意によらなければならないというのが労働契約法の原則です。
しかし、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、その内容が合理的なものであるときは、変更後の労働条件が労働契約の内容になります。ただし、労使が変更しないと合意していた労働条件については、就業規則の変更の効力が及びません。
就業規則の不利益変更の要件
労働契約法は、変更内容が合理的かどうかについて、①労働者の受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④労働組合等との交渉の状況等の事情を考慮すると定めています。これ以外に、最高裁判例では、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、他の労働組合・従業員の対応、同種事項に関する我が国社会における一般的状況といった事情も考慮しています。
就業規則を変更して労働条件を不利益に変更する際には、業務上の必要性や内容の相当性を丁寧に説明することが肝要です。これらの事情が客観的に存在すれば変更の効力が肯定されます。そのため、使用者の説明に当たっては、確定している内容について文書で示した方がよいでしょう。
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