メール調査をするときの留意点
近年、労働者にパソコンを貸与して業務に使用させるのが当たり前となり、社用パソコンでメールの送受信をすることも業務において必要不可欠となってきました。そのような状況下で、私用電話ではなく、所定労働時間中に私用メールを送受信することが問題となってきています。
これを就業規則において禁止することは情報管理という観点からも必要ですが、それとともに使用者が労働者のメールを監視できるのかも問題となっています。
社用パソコンでのメールといえども、労働者のプライバシーを保護しなければならないので、就業規則や内部規程にメール調査について定めておくことをお勧めします。その内容は、①調査の目的、②調査の方法、③調査の時間帯、④収集する情報内容、⑤情報の利用方法、⑥労働者の調査協力義務などです。就業規則に規定するのであれば、労働者に周知しなければなりません。
私用メールやSNSを理由に懲戒できるか
調査により私用メールをしていた労働者を懲戒するには、パソコンの私的使用や私用メールの禁止違反を就業規則に懲戒事由として挙げておくことが必要です。これらの事由を規定しておかなくても長時間にわたる場合は職務専念義務違反として懲戒できます。ただし、通数が少なかったり、私用メールにかけた時間が短かったりした場合は、懲戒処分が無効となることがあります。
また、職務専念義務という点では、所定労働時間中に業務外のウェブサイトを閲覧することを就業規則において禁止する方がよいです。また、情報管理という点では、企業機密や職務上知り得た情報をインターネット上で公開することを禁止する方がよいです。
さらに、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の発達により、インターネット上に同僚や取引先、顧客などを誹謗中傷したり、企業の信用を毀損したりする投稿がされるようになってきました。傷病休職中に旅行に行った写真をブログにアップするといった事例もあります。就業規則上の服務規律として、SNSへ業務に関する投稿をすることを禁止するとともに、懲戒事由として定めておきましょう。
そして、労働者には、SNSへの投稿が内容によっては、懲戒や損害賠償といった不利益な措置が課されることを周知するだけでなく、企業の社会的信用を低下させることを教育することも必要です。
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