相談に至るまでの動線の確保
職場のメンタルヘルスケアについて、日常的な相談活動が企業の業績に正の効果をもたらすことが報告されています。
相談活動を活性化するには、まず個人情報の保護と不利益取扱いの禁止を徹底しましょう。この2つが相談の実効性を高めるための施策となります。
この担保となり得るのに適切な部署は総務部や人事部が想定されます。多店舗展開している場合は、総務部や人事部内に相談窓口専用のメールアドレスも設けることもありますが、店舗従業員はサポートが受けることが難しい職場環境にありますので、相談のルートを複数も受けた方がよいのでしょう。
また、相談する者の性別や相談内容に応じて窓口を別にすると、相談しやすくなります。例えば、ハラスメントと一般的なメンタルヘルスケアを分け、さらに女性の被害者が多いセクハラの相談は女性の相談担当者が対応する窓口を設けるといったことが考えられます。
繰り返し周知しないと、また相談しやすい環境づくりをしないと、相談窓口に来ないのが通常です。そのため、窓口の連絡先や相談時間を記載したリーフレットを作成するなど様々な取り組みが必要となりますが、相談担当者が誰で、どのような姿勢で相談を受けるのかを労働者に知らせると、相談しやすくなるのでしょう。
相談を受ける際の留意点
相談を受けたら、相談担当者は、声が外部に漏れない、他の従業員の目に触れない場所(応接室、会議室等)で面談をします。店舗営業であれば、店舗従業員は本社などに設置されている相談窓口にアクセスすること自体に心理的なハードルがあるので、相談担当者が時間を作って店舗に出向くという対応も必要となるでしょう。
相談担当者は、秘密保持を約束し、▽中立性を保つ、▽組織文化・風土を押しつけない、▽同じ感情を共有しないという姿勢を保ちます。そして、適宜質問をしながら被害者が抱える問題や背景事情を正確に把握し、整理をします。相談者の話を傾聴すると、信頼関係を醸成できるでしょう。
このように対面で相談活動をすると、非言語的な情報も得られるので、これを職場のメンタルヘルスケアに活用できます。
職場のストレス要因はもちろんのこと、業務外のストレス要因であっても親身に対応することがメンタルヘルス不調の予防につながります。まずは職場や本人の状況を知悉している上司が相談対応をして、上司では対応しきれないときに人事労務管理スタッフが対応することが望ましいです。
しかし、日常的な相談活動を組織全体で実施することは事業場内資源に限りがあるため困難です。そのため、ストレスチェックを並行して実施し、集団分析の結果をメンタルヘルスケアに活用しつつ、他の職場にも水平展開するとよいでしょう。
メンタルヘルス不調を防止するための職場でのサポート
相談活動を充実させると、高ストレス者やメンタルヘルス不調者の勤務実態や健康状態に関する「変化」を見逃さず、その労働者がストレスに気づいて対処できるようになります。その気づきを、職場でのサポートにも結びつけなければなりません。
うつ病による退職や自殺という不幸な転帰を防ぐには、米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の職業性ストレスモデルがストレス要因の緩衝要因として挙げている社会的支援(ソーシャルサポート)、すなわち職場の支援・協力が重要です。
業務上のストレス要因に職場の人間関係によるストレス要因が加わると、休職する割合が増加したことが報告されています。逆にいえば、職場の人間関係が良好であり、同僚や上司の支援・協力が得られるのであれば、業務上のストレス要因があっても、緩衝要因が機能するので、休職のリスクが減少するのです。
職場でのサポートは、同僚や上司ができる範囲のものであり、職場内で問題を解決することではありません。本人の話を傾聴して助言をし、業務を手伝うこともサポートであり、産業医との面接や専門医への受診を勧め、相談機関の情報を提供することもサポートです。また、メンタルヘルス不調の原因が例えば法的問題であるという場合は、弁護士に相談するように促すこともサポートになります。
ストレスチェックの実施と分析など全社的な施策はこちら
弁護士費用
休職・復職対応とメンタルヘルス対策に関するサポート料金は、次のページをご覧ください。
顧問弁護士
業務の過程で生じた問題についてご相談をしたいというご希望がございましたら、法律顧問契約をお勧めします。
弁護士によるメンタルヘルス対策のメリット
ハラスメント対応やメンタルヘルス対策は、労働安全衛生に詳しい弁護士のサポートを受けることをお勧めします。
企業研修
管理監督者や人事労務管理スタッフ向けに、社内研修を実施してみませんか。
解決実績
労働法務における主な解決実績は、次のページをご覧ください。
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